緑ナンバーの車庫の決まり:営業所からの距離・収容能力・50cmの間隔
この記事のポイント
- 緑ナンバーの車庫は、原則として営業所に併設する。併設できない場合、中部運輸局の管内では営業所から直線で10km以内。
- 車両と車庫の境界、車両どうしの間隔を50cm以上あけて、計画するトラックがすべて楽に入ること。
- 車庫の位置と収容能力は事業計画に書く項目。増車の前に、いまの車庫に入るかを確かめる。
※登場人物は架空のキャラクターです。内容は2026年10月時点の法令と、中部運輸局(愛知・岐阜・三重などを管轄)の公示にもとづきます。運用の細部は運輸局ごとに異なるため、実際の手続きは管轄の運輸支局にご確認ください。
ゲンさん、うちの車庫って、空いてるところに停めればいいんですよね?
ははは、そう思うだろ。ところが緑ナンバーの車庫には、ちゃんと決まりがあるんだ。
え、車庫にも決まりがあるんですか。
ある。車庫の場所も広さも、国に出してる書類に書いてあるんだぞ。
車庫は「事業計画」に書いてある
国に出してる書類、ですか?
運送会社が許可を取るときに出す事業計画だ。そこには営業所やトラックの台数と並んで、車庫の位置と収容能力を書くことになってる(貨物自動車運送事業法施行規則 第2条第1項第5号)。
収容能力って、何台入るか、ですか?
そうだ。だから、勝手に車庫を移したり、入りきらない台数を置いたりはできない。基準の中身は、運輸局の公示に書いてある。中部運輸局の基準で話すぞ。
営業所からの距離
車庫は、営業所のすぐそばじゃないとだめですか?
原則は営業所に併設だ。営業所に近くて、ふつうに歩いて行き来できる場所なら、併設とみなされる。
じゃあ、どうしても近くに土地がないときは?
併設できない場合は、国の告示の基準に合っていればいい。中部運輸局の管内では、営業所から直線で10km以内だ。
10kmなら、けっこう離れていても大丈夫なんですね。
距離はな。ただ、離れているなら、営業所と車庫がいつでも連絡を取れる体制と、点呼を確実にやれる体制を整えておくこと、とも公示に書いてある。運転者がどこで点呼を受けるのか、先に決めておかなきゃならない。
収容能力と「50cm」の決まり
何台入るかは、どうやって決まるんですか?
中部運輸局の公示では、こうなってる。
- 車両と車庫の境界、車両どうしの間隔を50cm以上あけられること
- 計画するトラックが、すべて楽に入ること
- 車庫が、ほかの用途の場所とはっきり分かれていること
- トラックをきちんと停められることがわかる写真を出すこと
50cm……。ドアを開けるくらいの幅ですね。
ああ。白線の中にぎりぎり入る、じゃだめなんだ。それに、資材置き場や来客用の駐車場と混ざっていると、「ほかの用途とはっきり分かれている」と言えなくなる。
前面道路と、土地の使用権原
ほかにも、車庫の決まりはありますか?
あと2つある。
- 前面道路:出入口の前の道路の幅が、車両制限令に合っていること。国道に面していれば、原則として合っているとみなされる。都市計画法や農地法などの法令に触れないことを、宣誓書で示す。
- 使用権原:車庫の土地を2年以上使える権利があること。自分の土地なら登記簿謄本など、借りている土地なら契約期間がおおむね2年以上の賃貸借契約書などで示す(契約が自動で更新されると認められる場合は、2年未満でも使用権原があるとみなされる)。
大きいトラックだと、前の道が狭いと出入りできないですもんね。
そういうことだ。
増車の前に、車庫に入るかを確かめる
トラックを増やすときは、車庫のことも考えないといけないんですね。
そうだ。増車の届出を出す前に、いまの車庫に50cmの間隔をとって入るかを確かめる。入らないなら、車庫を広げるか、新しい車庫を用意することになる。
車庫を広げたり移したりするのも、届出ですか?
車庫の位置や収容能力は事業計画の中身だから、変えるときは原則として国の認可が要る(貨物自動車運送事業法 第9条第1項)。台数の変更とちがって、前もって届け出れば済む扱いにはなってない(同法施行規則 第6条)。それに、中部運輸局の公示では、車庫の新設や、収容能力が大きくなる移転は、事業を大きくする申請として、行政処分や重大事故の有無なども見られる。
じゃあ、車庫のことは早めに考えておかないと……。
そうだ。車を借りる段取りより先に、車庫の段取りだ。
まずは、うちの車庫にあと何台入るか、メジャーを持って測ってきます!
おう。間隔の50cmも忘れずにな。
まとめ
- 車庫の位置と収容能力は、事業計画に書く項目(貨物自動車運送事業法施行規則 第2条第1項第5号)。変えるときは原則として認可が要る(貨物自動車運送事業法 第9条第1項)。
- 中部運輸局の公示では、車庫は原則として営業所に併設する。併設できない場合は営業所から直線で10km以内とし、連絡と点呼の体制を整える。
- 車両と車庫の境界、車両どうしの間隔を50cm以上あけ、計画するトラックがすべて楽に入ること。ほかの用途と区分し、写真を出す。
- 前面道路の幅が車両制限令に合うこと、土地を2年以上使える権利があることも基準になっている。
- 増車の前に、いまの車庫に入るかを確かめる。
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