運行管理者は何人要る?30両ごとの選任ルールと資格の取り方
この記事のポイント
- 運行管理者は営業所ごとに、事業用自動車の数を30で割って端数を切り捨て、1を足した人数以上を選任する(輸送安全規則 第18条第1項)。
- 運行管理者になれるのは、運行管理者資格者証を持つ人。資格者証は試験に合格するか、実務経験と講習の要件を満たして交付を受ける。
- 選任したときも解任したときも、国に届け出る。増車で30両をまたぐ前に、人数を確かめる。
※登場人物は架空のキャラクターです。内容は2026年10月時点の法令にもとづきます。実際の手続きは管轄の運輸支局にご確認ください。
ゲンさん、朝の点呼をしてくれる人って「運行管理者」っていうんですよね。うちの営業所には何人いるんですか?
おう、いいところに気づいたな。運行管理者は、何人置くかが法律で決まってるんだ。
人数まで決まってるんですか。
決まってる。トラックが増えれば、運行管理者も増やさなきゃならない。
運行管理者は、置かなければならない人
そもそも、運行管理者って何をする人なんですか?
トラックが安全に走れるように、運転者の乗務の割り振りを決めたり、点呼をしたり、運転者を指導したりする人だ。緑ナンバーの運送会社は、許可を受けたら速やかに運行管理者を選任しなければならない(貨物自動車運送事業法 第16条第1項)。
選んだら、それで終わりですか?
いや、選んだら国に届け出る。辞めてもらったときも同じだ(同条第3項)。
会社は、運行管理者の言うことを聞かなくていいんですか?
逆だ。会社は運行管理者に仕事に必要な権限を与えて、その助言を尊重しなきゃならない。運転者も、運行管理者の指導に従う決まりだ(同法 第20条)。
何人置くか:30で割って1を足す
それで、何人要るんですか?
営業所ごとに、その営業所が運行を管理する事業用自動車の数を30で割って、端数を切り捨てて、1を足した人数以上だ(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第1項)。
計算してみます。
- 5両〜29両:29÷30=0.96…で、切り捨てて0、1を足して1人
- 30両〜59両:30÷30=1で、1を足して2人
- 60両〜89両:60÷30=2で、1を足して3人
そのとおり。数えるのはトラックで、トレーラーのように引っぱられる車(被けん引自動車)は数に入れない。
うちの営業所がちょうど29台なら、あと1台増やしたら2人目が要るってことですね。
そういうことだ。増車の届出を出す前に、運行管理者の人数が足りるかを確かめておけ。増車の届出の流れは緑ナンバーのトラックを増やすときの「増車届」の流れと注意点で話したとおりだ。
運行管理者になるには、資格者証が要る
運行管理者には、誰でもなれるんですか?
なれない。運行管理者資格者証を持っている人の中から選ぶ決まりだ(貨物自動車運送事業法 第16条第1項)。資格者証の交付を受ける道は2つある(同法 第17条第1項)。
- 運行管理者試験に合格する
- 実務の経験などの要件を満たす:運行の管理について5年以上の実務の経験があり、その間に国が認定した講習を5回以上受けた人(輸送安全規則 第24条第1項)
試験は、誰でも受けられますか?
試験を受けるには、事業用自動車の運行の管理について1年以上の実務の経験が要る。国が認定した講習(基礎講習)を修了すれば、その経験の代わりになる(輸送安全規則 第31条)。
新人の私でも、講習を受ければ試験を受けられるんですね。
そうだ。試験に出るのは、貨物自動車運送事業法・道路運送車両法・道路交通法・労働基準法と、その下の命令、それに実務の知識だ(同規則 第29条)。
補助者と統括運行管理者
運行管理者が1人だと、休みの日はどうするんですか?
そのために補助者を選任できる。資格者証を持っている人か、国が認定した講習を修了した人の中から選ぶ(輸送安全規則 第18条第3項)。補助者は、運行管理者の仕事を手伝う人だ。
補助者がいれば、運行管理者は1人でもいいんですか?
いや、人数の決まりは別だ。補助者は運行管理者の数には入らない。運行管理者は、補助者を指導して監督する立場だ(同規則 第20条第1項第16号)。
運行管理者が何人もいる営業所では、誰がまとめるんですか?
1つの営業所で運行管理者を2人以上選ぶなら、その仕事をまとめる統括運行管理者を選ぶ決まりだ(同規則 第18条第2項)。
選んだあとも、講習を受ける
一度選ばれたら、ずっと運行管理者でいられるんですか?
講習を受け続ける決まりがある。新しく選任された運行管理者や、前に講習を受けた年度の翌年度の末日を過ぎた運行管理者には、会社が講習を受けさせなきゃならない(輸送安全規則 第23条第1項)。死亡事故や重傷事故を起こした営業所の運行管理者も、講習の対象だ。
講習を受けた次の年度が終わるまでに、また受けるってことですね。
そういうことだ。運行管理者の仕事は、資格を取って終わりじゃない。
まずは、うちの営業所の台数を数えて、30で割ってみます!
おう。トレーラーは数えるなよ。
まとめ
- 緑ナンバーの運送会社は、許可を受けたら速やかに運行管理者を選任し、選任と解任を国に届け出る(貨物自動車運送事業法 第16条)。
- 人数は営業所ごとに、事業用自動車(被けん引自動車を除く)の数を30で割って端数を切り捨て、1を足した数以上(輸送安全規則 第18条第1項)。29両までは1人、30両から2人、60両から3人。
- 運行管理者になれるのは資格者証を持つ人。資格者証は試験に合格するか、5年以上の実務経験と講習5回以上の要件を満たして交付を受ける(同法 第17条・同規則 第24条)。試験を受けるには1年以上の実務経験か、基礎講習の修了が要る(同規則 第31条)。
- 補助者を選任できるが、運行管理者の人数には入らない。運行管理者が2人以上なら統括運行管理者を選ぶ(同規則 第18条)。
- 新しく選任した運行管理者などには、講習を受けさせる(同規則 第23条)。
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出典(2026年10月16日に確認)
- 貨物自動車運送事業法(e-Gov法令検索):第16条・第17条・第20条
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索):第18条・第20条・第23条・第24条・第29条・第31条