点呼の基本:いつ・誰が・何を確かめるか
この記事のポイント
- 点呼は、運転者が乗務を始める前と終えた後に行う。前も後も対面などでできない運行では、途中にもう1回行う(輸送安全規則 第7条)。
- 乗務の前は、酒気帯びの有無・健康状態・日常点検を確かめて、安全のための指示を出す。酒気帯びの確認には、営業所のアルコール検知器を使う。
- 点呼の内容は運転者ごとに記録し、1年間保存する。点呼は運行管理者の仕事の1つ。
※登場人物は架空のキャラクターです。内容は2026年10月時点の法令にもとづきます。点呼の方法の細かな取り扱いは国の告示や通達で定められているため、実際の運用は管轄の運輸支局にご確認ください。
ゲンさん、おはようございます。毎朝、出発の前に事務所で何か話してますよね。あれは何ですか?
おはよう。あれは点呼だ。緑ナンバーのトラックに乗る前は、毎回これを受ける決まりなんだ。
毎回ですか。ちょっとあいさつするだけかと思ってました。
あいさつも大事だけどな。点呼で確かめることは、法律で決まってるんだ。
点呼は3つある
点呼は、出発の前だけですか?
いや。乗務の前と後にやる。それから、前も後も対面などでできない長い運行だと、途中にもう1回やる(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条)。
- 業務前点呼:運行の業務を始める前(同条第1項)
- 業務後点呼:運行の業務を終えた後(同条第2項)
- 中間点呼:業務前も業務後も対面などでできない運行で、途中に少なくとも1回(同条第3項)
対面じゃなくてもいいんですか?
原則は対面だ。ただ、法令は「対面による点呼と同等の効果がある方法として国が定める方法」も認めてる。どの方法が使えるかは国の告示で決まってるから、新しいやり方を入れるときは運輸支局に確かめるんだ。
業務前点呼で確かめること
出発前の点呼では、何を聞かれるんですか?
運転者については、この3つだ(同条第1項)。
- 酒気帯びの有無
- 病気・疲れ・睡眠不足などで、安全に運転できないおそれがないか
- 日常点検をしたか
日常点検って、タイヤやランプを見るやつですか?
そうだ。緑ナンバーのトラックは、1日1回、運行を始める前に日常点検をする決まりになってる(道路運送車両法 第47条の2第2項)。点呼では、それを済ませたかを確かめる。
確かめるだけですか?
確かめたうえで、安全のための指示を出す。たとえば、雨で路面が滑りやすいとか、工事で通行止めがあるとかだな。
業務後点呼で確かめること
帰ってきたときの点呼では、何をするんですか?
トラック・道路・運行の状況を報告してもらう。それと、酒気帯びの有無をもう一度確かめる(同条第2項)。
帰りにもお酒の確認があるんですね。
あるんだ。それから、途中でほかの運転者と交替したなら、交替した相手に何を伝えたかも報告する。ブレーキの効きが気になった、みたいな話は、次に乗る人のためにも大事だからな。
アルコール検知器を使う
お酒の確認は、顔を見て判断するんですか?
目で見るだけじゃだめだ。会社は営業所ごとにアルコール検知器を備えて、いつでも使える状態にしておく。酒気帯びを確かめるときは、目視などに加えて、運転者が所属する営業所の検知器を使う(同条第4項)。
検知器が壊れてたら、困りますね。
だから「常に有効に保持する」ことも決まりに入ってる。電池切れも故障も、言い訳にならない。
記録して、1年間保存する
点呼をしたら、何か書き残すんですか?
運転者ごとに記録する。点呼をしたこと、報告・確認・指示の内容に加えて、こういうことを書く(同条第5項)。
- 点呼をした人と、受けた人の名前
- 乗るトラックの登録番号など
- 点呼の日時
- 点呼の方法
この記録は1年間保存する決まりだ。
点呼は、誰がやるんですか?
点呼は運行管理者の仕事の1つだ(同規則 第20条第1項第8号)。運行管理者が何人要るかは、運行管理者は何人要る?30両ごとの選任ルールと資格の取り方で話したとおりだ。
明日の朝から、点呼でちゃんと答えられるようにします! まずは寝不足をなくします。
おう。それがいちばんの安全装置だ。
まとめ
- 点呼は乗務の前と後に行い、前も後も対面などでできない運行では途中にも少なくとも1回行う(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条第1項〜第3項)。
- 業務前点呼では、酒気帯びの有無、病気・疲労・睡眠不足などのおそれ、日常点検の実施を確かめ、安全のための指示を出す。
- 業務後点呼では、トラック・道路・運行の状況の報告を受け、酒気帯びの有無を確かめる。
- 酒気帯びの確認には、営業所ごとに備えたアルコール検知器を使う(同条第4項)。
- 点呼の内容は運転者ごとに記録し、1年間保存する(同条第5項)。点呼は運行管理者の業務の1つ(同規則 第20条第1項第8号)。
カリトラでは、東海3県と静岡県西部の運送事業者さま向けに、緑ナンバーのまま使える事業用トラックを短期から貸し出しています。借りたトラックも、自社のトラックと同じように点呼と運行管理のもとで走らせます。詳しくは緑ナンバーレンタルのページをご覧のうえ、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
出典(2026年10月16日に確認)
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索):第7条・第20条
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索):第47条の2