車検・修理中の代車を緑ナンバーで手配するときの段取り
この記事のポイント
- 代車も緑ナンバーの事業用自動車として、その営業所の台数に入れて走らせる。代車を足すなら増車の届出、返すなら減車の届出が要る。
- 中部運輸局の公示では、自社の別の営業所から短期間だけ回す場合も、それぞれの営業所で増車・減車の手続きをとる。
- トラックを借りるなら、車検証の使用者を自社にして増車の届出を出す。入庫の日が決まったら、届出から逆算して手配する。
※登場人物は架空のキャラクターです。内容は2026年10月時点の法令と、中部運輸局(愛知・岐阜・三重などを管轄)の公示にもとづきます。運用の細部は運輸局ごとに異なるため、実際の手続きは管轄の運輸支局にご確認ください。
ゲンさん、来月うちの4tが車検で1週間いなくなるんです。その間、代わりのトラックってどうするんですか?
おっ、早めに気づいたのはえらいぞ。代車の段取りは、入庫の日が決まったらすぐ始めるもんだ。
近所のレンタカー屋さんで借りればいいんじゃないですか?
そこが落とし穴だ。運賃をもらって荷物を運ぶなら、代車も緑ナンバーの事業用自動車として走らせなきゃならない。
代車も、営業所の台数に入る
代車でも、ふつうのトラックと同じ扱いなんですか?
同じだ。運送会社は「どの営業所に、どんなトラックを何台置くか」を事業計画に書いてる。営業所の台数を変えるときは、前もって届け出る決まりだ(貨物自動車運送事業法 第9条第3項、同法施行規則 第6条第1項第1号)。
車検に出したトラックは、台数から外すんですか?
減車の届出を出さない限り、車検に出したトラックも台数に入ったままだ。そこに代車を足すと、その間だけ台数が1台増える。だから、代車を入れるときは増車の届出、返すときは減車の届出になる。
一時的でも、増車は増車なんですね。
そうだ。それと、短い間に何度も増やしてると、合計の台数で審査の対象になることがある。そのしくみは繁忙期の増車は計画的に:3ヶ月で30%を超えると届出でなく審査になる仕組みで話したとおりだ。車を入れ替える形にしたい場合の扱いは、運輸支局に確かめてから決めるんだ。
手配のしかたは3つ
代車は、どこから持ってくるんですか?
大きく分けて3つある。
- 自社の別の営業所から回す
- 協定を結んで、ほかの事業者と事業用自動車を相互に使う
- 緑ナンバーで使えるトラックを借りる
いちばん簡単なのは、自社の別の営業所から回すことですよね。
そう思うだろ。ところが、これにも手続きがある。
自社の別の営業所から回すとき
中部運輸局の公示では、自社の営業所の間で車を融通するときは、短い期間でも、それぞれの営業所で増車・減車の手続きをとることになってる。
貸す側の営業所は減車、借りる側の営業所は増車ですか。
そうだ。トラックはどこかの営業所に配置されて、その営業所の運行管理のもとで走る。だから、営業所をまたいだら、両方の台数が変わるんだ。
例外はないんですか?
営業所の間で運転者や車両を動かしやすくする国の通知があって、それによる取り扱いは別、と公示に書いてある。使えるかどうかは、運輸支局に確かめるんだな。
協定を結んで、相互に使うとき
ほかの運送会社さんに、トラックを融通してもらうのはどうですか?
中部運輸局の公示には、協定書などを結んで事業用自動車を相互に使う場合は、台数の変更の事前届出を要しない、と書いてある。
届出が要らないなら、楽ですね!
ただし、協定書を結ぶのが前提だ。よその会社の緑ナンバーを、ただ借りて走らせるのは名義貸しになりかねない。協定の中身と使い方は、始める前に運輸支局に確かめておけ。
トラックを借りるとき
協定を結んでいる会社がなかったら、どうしますか?
そのときは、緑ナンバーで使えるトラックを借りる。道路運送法 第80条は、自家用の車を商売として貸すにはレンタカーの許可が要るとしたうえで、借りる側がその車の使用者になるなら許可は要らないと決めてる。
車検証の使用者を、うちの会社にするんですね。
そうだ。使用者をうちにして、うちが増車の届出を出して、うちの運行管理で走らせる。保険も、事業用のものを確かめる。借りるときの流れはトラックを1ヶ月だけ借りるには? 緑ナンバーと白ナンバーで変わる借り方にまとまってる。
入庫の日から逆算する
結局、何から始めればいいですか?
入庫の日から逆算して、こう進める。
- 車検や修理の入庫の日と、戻ってくる見込みの日を決める。
- 代車の手配のしかたを決める(別の営業所から回す・協定で相互に使う・借りる)。
- 借りる場合は、車検証の使用者の変更と、事業用の保険を確かめる。
- 管轄の運輸支局へ、増車の届出を実施予定日より前に出す(協定で相互に使う場合を除く)。
- 代車でも、自社のトラックと同じように点呼と日常点検をしてから走らせる。
- 修理が終わって代車を返したら、減車の届出を出す。
届出は、前の日に出せば間に合いますか?
中部運輸局の公示では、届出はあらかじめ出すこと、繁忙期は当日に処理できないことがあるから実施予定日より前に出すよう努めること、とされてる。ぎりぎりはやめておけ。
わかりました。車検の日が決まったら、すぐ代車の相談をします!
おう。返したあとの減車の届出も忘れるなよ。
まとめ
- 運賃をもらって運ぶなら、代車も緑ナンバーの事業用自動車として、その営業所の台数に入れて走らせる。台数を変えるときは前もって届け出る(貨物自動車運送事業法 第9条第3項、同法施行規則 第6条第1項第1号)。
- 中部運輸局の公示では、自社の営業所の間で車を融通するときは、短い期間でもそれぞれの営業所で増車・減車の手続きをとる(国の通知による取り扱いを除く)。
- 同じ公示では、協定書などを結んで事業用自動車を相互に使う場合は、台数の変更の事前届出を要しないとされている。
- トラックを借りるなら、車検証の使用者を自社にして増車の届出を出す(道路運送法 第80条第1項ただし書)。返すときは減車の届出を出す。
- 届出は実施予定日より前に出す。入庫の日が決まったら、すぐに段取りを始める。
カリトラでは、東海3県と静岡県西部の運送事業者さま向けに、緑ナンバーのまま使える事業用トラックを短期から貸し出しています。車検・修理中の代車のご相談も、緑ナンバーレンタルのページをご覧のうえ、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
出典(2026年10月16日に確認)
- 貨物自動車運送事業法(e-Gov法令検索):第9条
- 貨物自動車運送事業法施行規則(e-Gov法令検索):第6条
- 道路運送法(e-Gov法令検索):第80条
- 中部運輸局 公示「一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の申請事案の処理方針について」(PDF):B.事業計画の変更認可及び届出の3.事業用自動車の数の変更の事前届出